読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

思考停止の怖さを教えてくれる『茶色の朝』

読書

 この数ヵ月は、キャパオーバーで、目の前の仕事をこなすだけの日々でした。

そして、選挙が続いています。

そんななか、急に思い出して読みたくなったのが『茶色の朝』(フランク・パヴロフ)。フランスで100万部を超えるベストセラーとなった本です。

f:id:kiri_sae:20160729161339j:plain

あらすじはざっくり次のようなもの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある国に、友人と二人でコーヒーを飲みながらおしゃべりをすることを日課にしている男がいた。ある日、男は、その友人が飼い犬を始末したということを聞かされる。その国の政府が、茶色以外のペットは飼わないよう声明を発表したばかりだった。実は男も、自分が飼っていた白黒の猫をすでに処分していた。何か話し足りない、「妙な感じ」が残ったがそれについて二人は話し合うことはなかった。
日々は流れ、猫や犬以外にも新聞、ラジオ、本、政党の名前、人々の会話まで、どんどん周りは「茶色だらけ」となっていった。茶色以外のペットを排除する政策に批判的だった新聞は廃刊になった。「茶色に守られた安心、それも悪くない」と、男は、それでもそんなに変わらない日々を過ごし、友人はあたらしく茶色の犬を、男も茶色の猫を飼いはじめた。
また日々は流れ、なんと「前」に茶色以外のペットを飼っていたことも犯罪とされ、友人をはじめ、多くの人々の逮捕がはじまった。そして、男の家のドアをノックする音がする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近やっと自分で認められるようになりましたが、私は周りに流されやすい、そして目の前のことでいっぱいいっぱいになりがちな人間です。

主人公の男も、いよいよ自分の身に危険が迫ってから初めて後悔します。
「俺には仕事があるし、毎日やらなきゃならないこまごましたことも多い。ほかの人たちだって、ごたごたはごめんだから、おとなしくしているんじゃないか?」
自分の人生についても政治についても、考えることをやめると、男のように後悔する日が来てしまうのかも? と怖くなります。

「流されて思考停止になっているなー」と気付けたときに、そんな自分への戒めとなる、また「考えること」への勇気をくれる一冊です。